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aptX Low Latencyでの音声環境構築が意外と大変だったのでまとめる【アナログ→Bluetooth→アナログのススメ】

ワイヤレスで低遅延ともなると、そう多くの選択肢はありません。
そこに汎用性を求めようとすると、さらに選択肢は減ってしまいます。
個人的にはaptX LLが汎用性と、低遅延をバランスさせている規格であると考え、aptX LLで音声周りのワイヤレス化を実現したので、その機器たちを紹介しようと思います。

全体的な構築に関しては以下の記事に取り上げましたが、今回はより小さな視点で取り上げようと考えています。

使用機器は以下の通りです。

Bluetoothトランスミッター(送信機)

Bluetoothレシーバー(受信機)

目次

スペック:トランスミッター1Mii B03

記憶が正しければ中国深センに本拠を置くメーカーだったと思います。公式サイトは激重ですので開くのは注意が必要でしょう。

https://www.1mii.com/

サクラ云々の情報もありますが、今回はそれを加味して挑戦してみましたが、結果的に満足しています。

📋 1Mii B03 スペック一覧

項目内容
製品名1Mii B03 Bluetooth Transmitter & Receiver
Bluetoothバージョン5.3
対応コーデック・TX(送信)SBC / AAC / aptX / aptX HD / aptX LL / aptX Adaptive
対応コーデック・RX(受信)SBC / AAC / aptX / aptX HD / aptX Adaptive
通信距離最大約70m(屋外)/約25〜30m(屋内)
モード送信(TX)/受信(RX)/バイパス
同時接続2台のBluetooth機器と同時接続可能(TXモード)
入出力端子光デジタル(TOSLINK)/3.5mm AUX/RCA
電源供給USB給電(ACアダプター付属・バッテリーレス・MicroB
サイズ約 12.6 × 9.4 × 2.9 cm
特記事項技適取得済み/音量調整ボタン搭載/ペアリング記憶最大8台

ここで注意しておくべきは、以下の二点です。

  • 受信モードではaptX LLは利用できない
  • 2台同時送信ではaptX LLは利用できない
  • 今更USB MicroB接続

ほかにも、AirPods Pro第2世代やAirPods Maxとは非互換であるという情報がありますので、そちらを利用しようとしている方には注意が必要でしょう。

スペック:レシーバーLavodio R80

この商品はOEM提供が多いのか、Glazata、Lavodio、Laza-Vally、TT-Valleyなどの名称で物理的には同じ(と思われる)ものが売られています。サイズ的にはUSBメモリーほどで、製品自体も謎のストレージ領域があり、USB接続すると認識されます。システムで利用されている可能性があるので私は触っていませんがUSBメモリーとして兼用できるかもしれません。

🎧 Lavodio R80 スペック一覧

項目内容
製品名Lavodio R80 Bluetooth Audio Receiver
Bluetoothバージョン5.1
対応コーデックSBC / AAC / aptX / aptX LL
チップセットQualcomm QCC3034
通信距離約10〜20m(環境により変動)
連続再生時間最大約16時間
充電時間約3時間(USB Type-C)
入出力端子3.5mmステレオミニジャック(4極対応)
マイクMEMS高感度マイク内蔵(4極イヤホン接続時は外部マイクが有効)
サイズ約 75 × 22 × 10 mm
重量約 18g
操作系音量・再生・曲送り・音声アシスタント呼び出しボタン搭載
マルチポイント対応(2台まで待ち受け可能)
その他Siri / Googleアシスタント呼び出し対応、技適取得済み

某価格比較サイトでは、aptX LL対応イヤホンは安くても6,000円からという中、この製品はレシーバー機能だけとはいえ3,000円前後で手に入ります。一日3時間のゲームでも4日程度持っているので、バッテリーのもちも実用性十分です。
内蔵マイクは使っていませんが、MEMSという高品質なものが使われていますし、Qualcomm製のチップが使われている点においては、aptXを開発した会社のお墨付きととらえることもできるので、その辺も安心して購入できるポイントです。

なぜアナログ→Bluetooth→アナログなのか

この構成で一番特徴ともいえることが、よくあるUSB機器に頼っていないという点ですが、ひとえに汎用性のためということにつきます。アナログからBluetooth、Bluetoothからアナログの機器は多数存在しており、またPCがどのような機種であっても、ゲーム機がコンソールであってもPCゲームであっても利用できるという点につきます。

例えばPC内蔵のBluetoothだったとしたらPCとbluetoothイヤホンでペアリングのプロファイル一つ分が埋まってしまいます。

ここでもう一台のPC(ゲーム機でもOK)を用意してみます。当然、プロファイルはもう一つあったとしてもそれも埋まってしまいます。

こうなるとゲーム機がどれだとか、PCがどれだとか、時々しか使わなかったりするともはや何番が何を使っているのかわからない状況になります。なると思うんです。
ですが続けます。ゲーム機を追加します。

ぺリング設定(プロファイル)が3つ目必要になってきてしまいました。ものによっては7プロファイル以上持てる物もありますが、切り替えに画面操作が必要になってしまったりと、割と不便を強いられることが多くなります。
スマートフォンも追加してみてもいいですが、もうそろそろやめておきましょう。

では、USBのBluetoothドングルと呼ばれるものを、USB切り替え機で切り替えればいいのでは?とも思うのですが、PCに追加するタイプのBluetoothアダプターなどはPC本体にペアリング情報が登録される関係で、あまり意味はありません。

このように、煩雑になっていくBluetoothのペアリング周りの設定を、独立したペアリング設定を持つトランスミッターとレシーバーを使うことで解消できるのです。
具体的な構成は以下のようになります。

アナログオーディオ3.5mmプラグの切り替え機によってすべての機器を集約できます。ここにミキサーを追加する方法もあるので、ミキサーを利用している方にもおすすめな方法だと思います。

例えば切り替え機なら以下のような商品をはじめとして選択肢が多くあります。

アナログからBluetoothに変換する構成全般で言えることですが、マイク内蔵のヘッドセットのマイクが利用できません。まずそのようなオーディオ+マイクの送受信に対応したトランスミッターが市場にほぼありません。
スマートフォンやPCはBluetoothスタックという技術でこれを実現していますが、通話時は音声がモノラルになるなど、実現したとして遅延問題に直面したりします。
なので、アナログからBluetoothに変換するときは、マイクを別で用意する必要があります。

ペアリング設定

ペアリングはほかのBluetoothなど2.4GHz帯を利用する無線機器が少ない場所でやりましょう。私は混信が激しい書斎でやったところ、何度やってもペアリング失敗しましたが、別室にもっていってペアリングしたら一発でうまくいきました。

トランスミッター側:1Mii B03

ボタン名称を下記の通りとします。

機能操作
出荷設定に初期化BTボタンを10秒間長押しすると、すべてのLED同時点灯したあと初期化されます。
1台目のペアリングBTボタンを2秒長押し。待ち受け中は赤青の点滅をする。
2台目以降のペアリングBTボタンを約2秒間長押ししてペアリングモードに入り、ペアリングします。接続されればペアリング設定が追加されます。

レシーバー側:Lavodio R80

下記の通りボタンを定義します。マルチボタンは説明書にもその通りにマルチボタンと書いてあります。

機能操作
1台目のペアリング電源を入れて、5秒ほどペアリング先が見つからないときに自動で切り替わります。
2台目のペアリング1台目のBTを検出できない状態にしてから5秒ほどで2代目のペアリングモードに入ります。
強制ペアリング音量+とマルチボタンを同時長押しすると直ちにペアリングモードに入れます。
Keisuke

強制ペアリングは説明書には書いてありませんが、私がいろいろ試しているうちに見つけました。

評価について

今まで気になっていた遅延が、気にならなくなりました。例えばゲームなら操作に伴うSEがずれて聞こえていたものが、操作とほぼ同時に聞こえてくる感じです。これによって没入感が高まりました。
ただ、製品自体ではなくaptX LLによるものだと思うのでそこは評価対象ではありません。

1Mii B03

レシーバー機能もありますが、今回はトランスミッター専用機として利用しているので、そちら側だけの評価になります。

ペアリング中のコーデックがランプでわかる
再接続が早い
数日電源入れっぱなしでも安定して再接続する
低遅延を優先するか、音質を優先するかを物理キーで指定できる

木造2階から1階はまあまあ不安定
筐体が軽すぎて設置場所がよくずれる
Pixel Buds Pro 2とは相性が悪かった

Lavodio R80

ブランド名が錯綜しているのですが、どれもこれもR80という型番を与えられているので同じものだと思います。

ペアリング後は安定していて再接続も早い
バッテリーのもちがいい
音質はそこそこいい(主観)
謎のストレージ領域がついてくる(未確認)
軽量

混信を避けた場所でペアリングをしないとペアリングが失敗する
筐体が縦長のせいで取り回しが悪い
ペアリングモードに入るには条件を作り出すほかない(強制ペアリングで解決可能)

総括

1Miiはサイトが激重だったり、メーカーの国籍の関係もありつつ、レビューの不自然さなどから、地雷成分高めという記事が散見されますが、今回購入したB03に関しては堅実な製品だと感じました。
デザイン面では野暮ったさもあるので、机の上に設置したりする方には多少の工夫を伴うとは思いますが、実用的であるにもかかわらず、電源入れっぱなしでも気にならない節度ある明るさです。
耐久性についてはこれからわかってくる部分だとは思いますが、半年ほど使用して今のことろ怪しい挙動もなく購入してよかったと思っています。

Lavodioに関しては希少なaptX LL機器で安価に入手できる手段としては今後も絶版せずに続いてほしいなとは思っていますが、1Mii含め中国スタートアップ企業だと思うと、今後どうなるかもわかりません。不意の絶版に備えて予備機を購入することも検討中です。

総じてとても快適なオーディオ体験ができていますので、今回は非常にいい買い物でした。

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