ずっと気になっていたN100(Alder Lake-N)マシンを買いました

もう騒ぐには十分界隈は騒いだでしょうし、N100搭載マシンも情報も出尽くした感がありますが、ようやく手に入れました。

なんなんでしょうね。一度気になると、時間をおいて興味を失った後も、きっかけさえあれば一時停止していたビデオのように普通に興味が舞い戻ってくる。この現象に名前を付けてください。おそらくもうあるんだろうけど。

ミニPCのインディーズ戦国時代

N100をきっかけとしているかどうかはわかりませんが、N100のレンジがミニPCと相性がよく、ミニPCといえばRyzenの4000番台、5000番台なんかと同じく多くのメーカーが出しているように見受けられます。

個人的にはそのワットパフォーマンスと熱設計から、ノートに持ってくるのがよいと思うのですが、以外にもノートでN100モデルというのは少ない(筐体設計と金額のバランスがまともなものは)。となると、N100を試すなら多くの場合ミニPCに手を出すということになります。

しかしまあ、なんでしょうたくさんありますよね。N100にせよ、N97、N95。数字が上がれば強い気がするのですが、この三つはIntelの歩留まりの都合方向性の違いによって、それぞれ立ち位置があるだけで、おおむね同じもののようです。つまりN95~100は、性能を重視するなら、該当モデルの実効値を計測したレビュー記事を探して、比較検討する必要があるということになります。筐体設計や電力制限によっても変わってきてしまうので。

とはいえ、こんなローエンド製品にベンチマークガー!とか叫ぶのもナンセンスですので、性能以外のところのコンセプトやデザインで選んで買うのが良いと思います。そして筆者もそうやって選びました。

安全パイを切るのであれば

しかしインディーズ戦国時代、どのメーカーが安パイなのかわかりにくいです。比較的老舗に値する、minisforumあたりから買うことで安パイかなという見方はあります。あと言えるならCHUWIでしょうか。肌感覚では、この二社に続き、三社目にGMKTekが入ってきそうな感じがしています。

しかし各社ともに、「最初は安価に、アフターサポートを手厚く」という、かつての日本にあったモノづくりの雰囲気を出しながらユーザーの心をつかみ、一定の地位を手に入れたら価格レンジをアップしていくというやり方は、変わらなさそうです。最近だとANKERなんかは如実ですよね。高くて買えなくなった(笑)

と言っても、法外というほどでもありませんので、評価がまとまりつつあるminisforum、CHUWI、GMKTekを選ぶのは、このジャンルにおいて一定の安心を得たいならいい選択肢となると思います。

選んだモデル

だらだらと前置きが長くなりましたが、筆者としては、安全パイを切ることもしてきましたし、冒険もしてきました。ミニPCは毎回メーカーを変えながら買ってみるのが良いですが、UM480XTをはじめ、minisforumが一番台数が多くなっています。

本当に小さい!フロントUSBは3.0系2本

今回は価格帯も安いですし、冒険に振ってみました。SkyBariumという、なんとも胃の検査を彷彿とさせるメーカー名です。選んだ理由としては、「Type-C一本で、給電と画面出力ができるもの」の一点突破でした。
ノートPCでType-C搭載機を使ったことがある方はわかると思いますが、ドックを使うことでデスクトップ化ができます。でもノートでそれやると、「搭載ディスプレイとキーボードがもったいないなぁ」とだんだん思えてきます。思えてくるはずです。筆者はそうだったのできっとみんなそう。それに対するアンサーとなる製品が、こういう「ミニPCで、USB Type-C一本で」のようなものになると思います。

左のType-Cが給電とAltanate Modeに対応していることで映像・給電・USBのフル機能を持っている

しかしこの条件で探すと、2万円前後で買えるN100搭載機はかなり少ないです。GMKTekのNucBoxG5がとてもコンパクトで惹かれましたが、このモデルのType-Cも給電のみの対応で、映像出力は別途接続が必要なようでした。惜しいなぁ。

向かって右側面のUSBは2.0が2本

ただこのモデル、SSDが256GBと512GBのモデルがあって、512GBモデルは29800円もします。
あまり聞いたことがないメーカーのもので、3万円近くも出して、N100を買うのは勇気がいりました。なので、セールを待っていたら2万円台前半で買えたので、そのあたりを狙って買うのがいいと思います。2万円台前半であれば、N100搭載機の価格帯になりますので。

しかし、これ見づらいよ。256GBでも、512GBでも、商品名に512GBって書いてあるのマジでやめたほうがいい。買ってから分かったことだけど、T-Box Proという製品名らしいのに、どこにも書いてないし。怪しさマシマシ、ギャンブル成分高めです。

ライセンスに関しては問題なし、OOBEはなんか怪しい

さて、いい加減届いたので早速使ってみました。ミニPC界隈では共通の話題となったライセンス周りですが、結論、ProOSが搭載されていたにもかかわらずこれはホワイトな状態でした。最近の情報を総括すると、ProOSをボリュームライセンスで切り売り→ユーザーがー問題に気付き情報が伝播していく→みんなが注意し始める→メーカーは慌ててOEMライセンスを購入して在庫品に当て込んでいくなんてことをやってたんじゃないかなと思います。まあ、大惨事になる前に対処ができるのであれば、企業としてはまずまずなのでしょうか。

ライセンスともう一つ話題になりやすい初回起動ですが、OOBE(初期起動セットアップ画面)から起動してきましたので、初期セットアップ済みではなかったようです。ただ、カスタマイズがされていたようでMSアカウントが聞かれず、ローカルアカウント前提で話が進みました。

素で間違えてホスト名を入力しようとしている様子

MSアカウントを作らせる仕様をたたく動画とかも何本か見てきましたが、筆者はMSアカウント利用による恩恵のほうが多いと感じているので、MSアカウントでセットアップさせてくれよとしか思いませんでした。少数派なのかな?

当然フォーマットしてOS入れ直し

どこか気持ち悪いので、OS入れなおすことにしました。ライセンスの確認から見ていきます。

OEMライセンスだった

Professionalなので、話題に上がるボリュームライセンスのリスクが高いものでしたが、問題なく使えるOEM版でした。結果からしてプロダクトキーはデジタルライセンスになっていたので、控える必要はありませんでしたが、すべての個体がどうかは不明なところです。

問題なくマイクロソフトからダウンロードしてきたOSイメージをインストールすることでライセンス認証されました。ドライバもすべてWindows Updateで当たりました。いくつかは「詳細」からドライバを入れる必要があったかもしませんけど…

使用感

普段、ハイエンドマシンを使っていると、さすがにちょっと我慢するかなというところで遅さは気づきます。N100の仕様なのか、SSDもSATA接続ですし、この辺りは値段なり。でも昔のCeleronに相当することを考えたら、かなり優秀でしょう。おおむね評判通りというところです。サクサクを求めるのであれば、これをLinuxに入れ替えるなどして使うのがいいと思います。試しにLinux Mintを入れて動かしてみましたが、Windowsが入っている時よりは確かに軽く感じます。

しばらくLinux専用機として動かしてみて、気に入らなければまたWindowsに戻しても、ライセンスが不通に認証される安心感は大きいです。

負荷のかかる作業はサーマルスロットリングを起こしている感じも見受けられたので、やはり軽めの作業がいいと思います。

まとめ

今回はチャレンジしてみましたが、結論成功だったと思っています。動作音も非常にし図画でほぼ無音、使いたくないときはドッキングステーションから外して引き出しなんかにも入れられますし、ドッキングモニターなどがある環境では本体だけ持ち運べばあちこちで使えるモバイル性も素晴らしいです。

長期利用での耐久性などは、ミニPC全体での試験期間とも思えるので、これからゆっくり注視していきたいと思います。