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Synology Hybrid RAIDとは

SynologyのNASの魅力は前回語りましたが、私がさんざんSynology Hybrid RAIDがいいと書いておきながら、その解説をしていませんでした。今回は、モデルケースを交えながらSynology Hybrid RAIDの良さを解説したいと思います。

目次

Synology Hybrid RAIDは、RAIDの一種

NASが持つメリットは様々ですが、データ保護の機能であるRAIDが標準装備である(2ベイモデル以上については)という点もまた、大きなメリットの一つといえるでしょう。これがなかったら、1台構成の外付けHDDのように、壊れたら大量データ損失につながります。

そこで各社RAIDに対応した製品がほとんどですが、Synologyだけは独自のRAID規格が選択可能です。もちろん通常のRAIDも選択できるので、無理に使う必要はないのですが、他社にはない機能があるということと、長期的にみてコストを削減することができる可能性があるということは純粋に利点ですので、紹介します。

なぜSynology Hybrid RAIDがいいのか

これはもう、HDD選択の自由度の高さが一番の決め手です。SynologyにはRAIDの独自規格として、Synology Hybrid RAIDを搭載しています。この機能は、容量違いのHDDでも高効率でRAID化できるというものです。SynologyのNASだけが持つ特徴です。

例えば、家庭に4本のHDDがあったとします。それぞれの容量が4TB、4TB、3TB、2TBで違うとします。

これをSynology Hybrid RAIDで組むと実際に使える容量はどうなるか。SynologyにはRAID計算機というものがあるのでそれを使って計算してみます。

比較対象をRAID5にした場合、RAID5が5.4TBしか使えないのに対し、SHR(Synology Hybrid RAID)では8.2TBに達します。その差2.8TB。これは、コスパ優先で考えがちな家庭利用では無視できない数字です。なぜこんなにも違うのか。それはSynology Hybrid RAIDではRAID構成の空間を最大効率になるように小分けにして耐障害性を保ちながらRAIDを構築しているからです。一方、通常のRAID5は、最小のHDD(この中では2TB)に合わせてRAID5を構築しますので、実質的に2TB×4台と同じ容量になってしまいます。

2ベイ製品でもある!Synology Hybrid RAIDの利点

Synology Hybrid RAIDは、HDDを3本以上必要とするRAID5に似たRAIDです。そしてコスパが求められる家庭利用で、選ばれがちなRAID5は3台以上のHDDが必要です。なので一見、Synologyの4ベイ製品だけの魅力のように思えます。しかしSynology Hybrid RAIDは、2ベイであればミラーリングで動作します。また、利用状況に合わせて1本ずつ拡張していくというやり方も、Synology Hybrid RAIDでは可能です。

NAS導入時は、4TBの2本で構成しているとします。

この時点では、実効容量に変化はなく、どちらも同じ分だけ使えます。しかし使っているとだんだん容量が足りなくなってきたので、今日たまたま、1本だけ8TBが余ったもしくは入手したとして、載せ替えます。

はい、載せ替えました。しかしまだ変化はありません。でも利用するデータ量は写真を撮るなり、動画を撮るなりして増加します。そろそろ買っておかないとまずいなーと思い、予算を確保しつつ、セールを狙ってもう1本8TBを購入することにします。

セールを狙って、もう1本8TBに載せ替えました。すると、SHR構成の方では自動的に実効容量が増加しました。RAID1の場合は、機種にもよるとは思いますが、自動でRAIDの再構成は行われません。一度データを別の場所に移し、8TB同士でRAID1を組みなおし、そしてデータを戻す。このあたりの手間が、SHRであればありません。

家庭においては1度に2本買わなくていいという点でも、大きな出費を抑えることができるので、家庭内財務省との交渉もやりやすいでしょう。

NASを所有するならHDDは消耗品と心得よ

NASはほぼ24時間365日で稼働させます。急な外出、急な仕事のためにいつでもアクセス可能にしておく方が安心ですし、HDDの長寿命化のためには一定の温度、一定の稼働頻度である方がよいといわれています。つまるところ、稼働と停止を高頻度で繰り返すことも、温度変化が生じるため理想的とは言い切れない部分があります。

NAS自体の電源はスケジュールによってある程度は制御できるものの、製品の性格上、電源つけっぱなしのほうが総合的にメリットが大きいということです。とは言いつつも、HDDも機械ですからやはり寿命が来ますので、1年または数年に1度のHDD交換は避けられないものだと思っておくといいでしょう。

壊れた時はアップグレードだと思え(思える)

寿命もあり、どうしても壊れてしまうとしても、だからと言って素直に納得できる人は少ないと思います。ですが、Synology Hybrid RAIDの魅力は故障時にもあります。

下記の図に書いた通り、4TBを2台、2TBを2台にした時の実効容量がその差1.8TBというのも驚きではありますが、故障時についてのモデルケースを紹介します。

必ずしも4台同じ容量とは限らないシーンもあるでしょう

できれば故障はしたくありませんが、故障したとしましょう。ここで、都合よく2TBのHDDを故障させます。

あぁ!1台故障しました!

はい、故障しました。この状態では、耐障害性がない状態ですので、できる限りの利用を控え、速やかに対応します。選択の余地はありません。ただただ、早く新しいHDDを購入して載せ替えます。でも、せっかくHDDが安くなったので、4TB買っておこうかなとか思うわけです。

めでたく、翌日に4TBのHDDが届きました。早速交換しましょう。

故障対応完了後、実効容量に注目してください

交換が終わると、アップグレードが終わった状態になります。Synology Hybrid RAIDは、その時その時で搭載されているHDDに合わせて最も効率的なデータ配置を再構成します。これによって、容量違いでも常に最大容量が生かすことができますし、故障した時がアップグレードの時と考えると、故障のくやしさも、アップグレードする機会だったと思えば幾分か軽減されるでしょう。

一方、通常のRAID5は、後から容量を可変することができませんので、すべてのHDDが2TBの時と同じ容量でふるまいます。せっかく、4TBが3台もあるのに、これではもったいないですね。

Synology Hybrid RAIDは計算しにくいコストダウンの手段

Synology Hybrid RAIDは、例えば上に書いたように、一本ずつ購入したり、それをセールを狙って計画的に買ったり、今は手元にあるHDDで構築して、安くなったころに大容量HDDを買って載せ替えるなどして、時間的な自由度によるコストダウンが狙えるRAIDになっています。長らくRAIDは、「すべてのHDDを同じタイミングで、同機種で、同容量で購入すること」みたいな暗黙のルールがあり、これによって一時的なコストの跳ね上がりは避けられないものでした。

しかし、SHRの登場でその常識がある程度覆され、予算が限られている家庭でより使いやすいものになったともいえるでしょう。やり方によっては、HDDを一本一本、寿命ぎりぎりまで使い倒すこともできるので、コストに限らず昨今騒いでいるSDGsに沿ったRAIDと拡大解釈もできるかもしれません。

ここまでいいことばかり書きましたが、RAID自体の弱点もそのまま引き継いでいます

RAIDも万能ではありませんので、こちらの記事を参考に、Synology Hybrid RAIDだからと言って過信せずにNASを運用してみてください。

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この記事を書いた人

大手SIer出身。インフラエンジニア。ユーザー系企業で社内SEを2社ほど転々とし、今は個人事業主。
ハードウェアが大好きで、気になり始めると試さないと気が済まない性格のせいで一向にデバイスが減らない。

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