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HHKBからMajestouch Convertible 3に乗り換えてみようとした話

乗り換え失敗談2回目です。HHKB以外はもうだめなのかもしれません。
HHKBの魅力も、当たり前になりすぎてしまうと、「本当にこれで良かったのかな」と思ってしまう日が来て、そんなときにダイヤテックの廃業だったり、Realforceの値上げだったりのニュースを見てしまうと、買わなきゃいけないんじゃないかと沼の底の亡者たちの誘惑が聞こえてきたりしてしまうものです。

結論としては、HHKBに戻ってしまうわけですが、そこにはHHKBならではの配列の仕業というよりは、ノートPCの配列全般に慣れてしまっていることが原因として一番大きな要素だと思いました。

HHKBとMajestouch Convertible 3(以下、Majestouch C3)と比較しつつ、キーボード沼のほとりで、亡者からの呼び声が聞こえている諸兄に、本当にその沼に飛び込むべきかという判断の助けになるような記事になれば幸いです。

目次

Majestouchを試そうと思ったきっかけ

高級キーボードの市場が膨れ上がって久しいですが、黎明期は東プレ、PFU、ダイヤテック(FILCO)の3社が主な牽引役でした。三社とも日本の企業で、変態配列として名高いHHKBのPFUを除けば、静電容量無接点=東プレ、メカニカル=ダイヤテックが、標準的な配列のキーボードの勢力図だったように思います。

私はそんな二大勢力の静電容量無接点方式側から入って、そのままHHKBに行ってしまいました。

つまり、メカニカルが未履修のままになっていたことで、どこか心残りがあったのかもしれません。
正確にはRazerのBlackWidow(青軸)は一時的に使ったことがあったのですが、使い込むほどではなかったので、ノーカウント。

結局の所、「HHKBよりも自分に合うものがこの世にはあるかもしれない」という探究心から、あれもこれも試してみたいという気持ちが湧き上がっているように思います。前回は同サイズキーボードの別製品への探求心、そして今回は、別サイズ別軸への探求心から来ていて、HHKBを検討していた8年前に未解決であった課題「テンキーレスか60%か」が再燃してしまった格好でもあるかもしれません。

つまり、「沼の底の亡者の声」とは、内なる探究心または、どこかで無視してしまった検討課題の声なのでしょう。

Majestouch C3とHHKBの外観比較

比較しても仕方ないからこそ、こんな記事書いてるのはここだけかもしれません。
でも比較してみます。
標準的な19mmキーピッチであることはどちらも共通していますが、大きな違いは以下の通り。

  • ファンクションキーの有無
  • カーソルキー列の有無
  • Zの段のオフセット量
  • 最下段のキー構成
  • 接続方式選択キーの独立有無
  • キートップ素材(HHKBはPBT、Majestouch C3はABS)

重量としても持ち運べることを前提としたHHKBと据え置き前提のMajestouchはそれこそ比較する必要がないほど違います。

乱暴にいってしまえばざっくり以下の通りでいいとすら思います。

HHKB=モバイルも念頭に入れたサイズと重量
Majestouch=オーソドックスな据え置きキーボード

カーソルキーはEnterの下にあるものという意識が抜けない

カーソルキーのミスタイプは文字のミスタイプより辛い

テンキーレスの場合、Enterの直下はShiftとCtrl担っています。ここが、HHKB及びノートPC全般であれば、カーソルキーが入ってきます。これが地味に辛い。
HHKBとノートPCの配列に慣れていると、カーソルキーを操作しているつもりで、CtrlとShiftを使ってしまっている。HHKB英語配列には独立カーソルキーがないので、このあたりの話はHHKB日本語配列とノートPCの話にはなってしまいますが。

シリンドリカルステップスカルプチャは正義

シリンドリカルステップスカルプチャな点は両機種とも同じ。わかりにくいので赤線で強調してみましたが、HHKBがあからさまであることに対し、Majestouchは少々控えめです。

ステップスカルプチャは打鍵の角度云々よりも、「用のないキートップに意識がとらわれない」というメリットがあると思っています。Minila-Rでもそれを強く感じました。

キートップ素材は高級キーボードのアイコンなのかも

Majestouch C3はキートップがABSのため、どうしてもHHKBと比べるとチープに見えてしまいます。高級キーボードが軒並みPBTを採用している中で、今からABSを選ぶとなるとやっぱり少し見劣りしてしまいます。

賛否が分かれそうな独立操作キー

右上に独立したキーがあり、デザインのアクセントに良くも悪くもなっています。便利なんですけどね。

Majestouch C3とHHKBの打鍵感比較

どちらもタクタイルという意味では同じです。
静電容量無接点方式は、Realforceも、HHKBも同じくタクタイルになっています。
茶軸ももちろんタクタイル。なのにこんなに違う。

言葉にすると難しいですが、HHKBの軸は、どんな角度から打鍵しても、すべてのエネルギーが押下に使われて、軸の横方向には力が逃げない感じがします。

一方、Majestouch C3は押下以外に、軸のブレなどにもエネルギーが使われている感じがして、どうにも純粋なるタクタイルというには雑味が大きすぎる。

HHKB・茶軸 タクタイル感比較グラフ(イメージ)

あくまでこれは、Majestouch C3発売時に採用されていた、Cherry純正の茶軸が搭載されていることが前提です。もしかすると、最近の互換軸や、Cherry社のもっと世代が新しいスイッチに関しては解消している可能性があります。そもそも、「これこそがメカニカルの良さでしょ」という考え方もあるとは思っていますので、突き詰めると好みの問題ですね。

比べるものではないという結論

乱暴な結論ですが、比べること自体がナンセンスです。
どちらが優れているとか、どちらが誰に向いているかとかではない。
HHKB自体が人を選ぶ配列とも言われていますから、合わない人には合わない、合う人には合う、そして合う人は、これしか合わないんだと思います。
HHKBのユーザーが、割と過激派志向が強いのもそのせいかもしれません。その特異性のため、これしかだめだって人向け。
私はそれの亜種で、HHKBの日本語配列と、スタンダードなノートPCの配列であれば使い分けができています。

そういう使い分けも、できる人とできない人がいるのと同じように、キーボードもそれぞれの製品で合う人と合わない人がいる。そしてそれを探す果てしない旅こそが「キーボード沼」ということなのでしょう。
私の場合は、その終着地点に、HHKBがあっただけのこと。

今信じて使っているものがあるのなら、そのまま使い続ける重要性
自分の心と体に合うキーボードが、世の中に何個もありはしない

いろいろ試してみても、結局HHKBに戻ってしまった。
それは、他のキーボードが悪いわけではなく、
自分の身体がもうHHKBという環境に最適化されてしまっているからなのかもしれません。いくら癖の弱いJIS配列と言えど、8年も使っていればそうなってしまうのでしょう。

きっと沼の底の亡者の声は、いつだって「もっと良いものがある」と囁き、その亡者は自作キーボード沼へのいざないをすることがあるとかないとか。私はそこまでの声は幸い聞こえてきませんが。

けれど、良いものとは“自分にとって自然であること”なのかもしれません。私にとってHHKBがそうだったというだけで。
だから、今手元にあるキーボードが自然に感じるなら、その感性を信じて使い続けるべきなのかもしれません。

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