ゲームをワイヤレスイヤホンまたはワイヤレスヘッドホンでやりたい。煩わしいケーブルから解放されてゲームに集中したい。そう考える方は多いと思います。
シンプルにゲームプレイをするためだけのワイヤレス環境であればUSBにレシーバーを指すタイプの独自無線方式が一番簡単で、迷いが少なくお勧めできる方法です。
しかし昨今ではボイスチャットや配信を前提にすると、なかなか機器選びが大変になるのも現実。
ミキサーだとか、複数機器で切り替えながら使いたいとかで制限がかかってきます。
今回ご紹介するのは、私自身がミキサー(YAMAHA ZG01)をかませて作ったワイヤレス環境なわけですが、汎用性が高いので応用すればいろいろな場面でも生かせると思います。

また、どんな構成であれワイヤレス派全員が直面する遅延問題も、Bluetoothの規格の一つであるaptX LLでほぼ解消できたので遅延に悩んでいる方にもおすすめの方法だと思います。
こんな人にお勧め!
予算を抑えてBluetoothで低遅延音声環境を構築したい
ミキサー(ZG01)を経由してもワイヤレスにしたい
アナログの音声出力からのワイヤレス環境を構築したい
aptX LLとは?低遅延と汎用性の高バランス規格
aptX LLとは、aptX Low Latency(低遅延)の略です。似たような名前でaptX Loss Lessもありますがあちらは高音質向け規格ですので、今回は蚊帳の外。
そしてどちらもそうですが、Bluetoothの中のエンコード、いわば規格の一つです。これだけ覚えておけばいいです。
aptX LLはLow Latencyの略で、Bluetooth規格の中の一つで最も低遅延な通信方式
どれくらい低遅延かというと、だいたい以下の通り。aptX LLは最低遅延時間のデータが見当たらず、40msec未満という情報をもとにこの程度かなという範囲にしてあります。

よく、「Bluetoothだと遅延が気になる」といった意見は、SBCやAACによる接続のため、遅延を感じられるものだと考えられます。それもそのはず、Bluetoothのオーディオで最も一般的な形式のため、一番利用されている形式だからです。
裏を返せば汎用性が最も高いのがSBC、次いで他形式、そして独自無線は完全に汎用性が無い状態と言えます。以下がその汎用性のイメージ図。

ここで独自無線の話を出したのは、LogicoolなどのLight Speedなどの形式です。当然専用品を使うしかなくなるので、汎用性は最も低いと言えるでしょう。

結論、汎用性と低遅延を高次元でバランスさせているのがaptX LLということになります。
環境構築の手順
Bluetoothと言えど、aptX LLに対応した受信機、送信機同士でないとaptX LLによる接続はできません。PC購入時に最初から内蔵されているBluetoothアダプターがaptXに対応しているかどうかはBluetoothアダプターの仕様次第、仮に対応していてもドライバの追加インストールが必要だったりとちょっと面倒なところが多いです。
私の環境ではミキサーによってどうやっても、アナログでの音声しか出せない状況だったので、アナログの3.5mmを軸に組み立てたので、以下のような接続になっています。


ZG01はPCのみでゲームをする場合だと存在感は薄れてしまいますが、Nintendo Switchのゲームをやるときも、PCでゲームをやるときも、音が出てくる場所が同じ(ZG01)という点も一つのメリットとして外せません。
使用した機材は以下の通り。
バッテリーレスで常時電源入れっぱなしでも安心です。もちろん寿命などを考えたら電源を切る方が良いとは思いますが。また再接続がとても速い。レシーバーの電源を入れて頭に装着するまでには接続が完了しています。
aptX LLに対応したイヤホンやヘッドセットは高額なため、こちらを選択しました。アナログヘッドセットを持っていれば、追加投資が最小限に抑えられます。
ヘッドセットはアナログなら何でもいいとは思います。安価な仕組みですのでエントリーモデルを中心に多数のモデルがありますが、この構成で気を付けたいのは、ケーブルが直付けか、3.5mmプラグによる抜き差し可能かという点には気を配ったほうがいいかもしれません。たまたま手元にあったJVCのGG-01というゲーミングヘッドセットですが、レシーバーをヘッドセットに取り付けられる、マイクを取り外せる、ケーブルが交換可能という点でベターな選択となりました。今は廃盤のようですが…
で、出来上がったのがコチラ。


見た目は最悪です。でも遅延の少なさ、バッテリーのもちの良さ、充電する時はレシーバーだけ外して充電すればいいという取り回しの良さで気に入っています。レシーバーも背面クリップで挟んでいるだけ。フィット感に違和感もないし機能性は大満足。見た目なんて、光るゲーミングヘッドセットが、ゲームプレイ中何も役に立ってないのと同じです。異論は認めます。
ZG01を活用した拡張・応用編
ZG01はコンソールゲーム機からではHDMIで音声を取り込み、PCからであればUSBで接続できればどんなPCでも音の出口を作れます。そうなると複数のゲーム機や、PCを持っている人のユーザビリティを向上させてくれます。
コンソールゲーム機複数編
ZG01は2台までのHDMI入力を備えているので、標準状態で2台のゲーム機を同じ音声環境で使うことができます。切り替えはZG01にあるボタン一つで可能です。もちろんそれ以上の場合は、HDMIセレクタを買い足す必要はありますが、2台もあれば多くのユーザーが問題なく使えると思います。


PC複数編
PCの場合はUSB切り替え機を買い足すだけですので2000円前後で複数PCで使い分けることができるようになります。


ZG01はUSB2.0接続ですので、USB切替器でもより安価なものから選択肢があります。以下が私が使っているものです。



この構成であれば、ヘッドセットやBluetooth機器が複数ペアリングに対応している必要がなくなります。また、PCを頻繁に買い替えたりしたとしても、ペアリングはトランスミッターとレシーバーで完結しているので再度ペアリング操作不要な点も見逃せません。
総括して
ZG01を利用しているがために、今までワイヤレス化はあきらめていました。しかしこの構成で有線並みの低遅延と、ワイヤレスの利便性を獲得できました。また、USB、HDMI接続での拡張が前提になるので音の出口はいつも同じZG01とBluetoothでも、PCの設定変更不要であることも非常に便利です。
ZG01を持っていない方でも、アナログ3.5mmジャックはほぼすべてのPCで標準搭載ですので、応用することで快適・低遅延なワイヤレス環境を構築できますので、PCが複数台、Bluetooth非搭載などの環境にも適用できます。
ぜひ、低遅延なワイヤレス環境を構築して没入感の高いゲーム・動画鑑賞に活用してみてください。
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